「トロンボーン」の版間の差分
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トロンボーンという名前はイタリア語で「トランペット」を現す"Tromba"に「大きい」を現す形容詞"-one"を付けたもので「大きいトランペット」の意である。 | トロンボーンという名前はイタリア語で「トランペット」を現す"Tromba"に「大きい」を現す形容詞"-one"を付けたもので「大きいトランペット」の意である。 | ||
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音域が人声に近く、スライドの調整により滑らかに音程を変化させることが可能であるため、中世ヨーロッパ世界では「神の楽器」と呼ばれ、教会音楽で名を馳せた。 | 音域が人声に近く、スライドの調整により滑らかに音程を変化させることが可能であるため、中世ヨーロッパ世界では「神の楽器」と呼ばれ、教会音楽で名を馳せた。 | ||
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スライド部を手前から奥に伸ばすにつれ管が長くなり、音程が低くなる仕組みである。 | スライド部を手前から奥に伸ばすにつれ管が長くなり、音程が低くなる仕組みである。 | ||
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現在ではロータリーと呼ばれる渦巻管がついているものがある。渦巻部により管を迂回させることにより低音域の吹奏も可能となるため、現在ではこちらが主流である。 | 現在ではロータリーと呼ばれる渦巻管がついているものがある。渦巻部により管を迂回させることにより低音域の吹奏も可能となるため、現在ではこちらが主流である。 | ||
またこの特徴からピアノや他の楽器では演奏することのできない全音と半音の間の周波数域の音を発することが出来ることが特徴的である。 | またこの特徴からピアノや他の楽器では演奏することのできない全音と半音の間の周波数域の音を発することが出来ることが特徴的である。 | ||
一般的にスライドの大体の位置を「ポディション」と呼称し、一番手前の何も操作していない位置を1とした場合7から8ポディションまで存在するが、チューニングなどにより大体の位置の微調整が求められるため難易度が高いともいわれる。 | 一般的にスライドの大体の位置を「ポディション」と呼称し、一番手前の何も操作していない位置を1とした場合7から8ポディションまで存在するが、チューニングなどにより大体の位置の微調整が求められるため難易度が高いともいわれる。 | ||
+ | =外部リンク= | ||
+ | [https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/winds/trombones/index.html][[ヤマハ]]のページ |
2021年6月3日 (木) 09:00時点における最新版
トロンボーン(英 trombone)は金管楽器の一種。 マウスピースを振動させ、スライド部を伸縮させることで音階を変化させる。
概要[編集]
トランペットと比較して1オクターブ低く、一般的に用いられるものはB♭調の調声をもつ。
トロンボーンという名前はイタリア語で「トランペット」を現す"Tromba"に「大きい」を現す形容詞"-one"を付けたもので「大きいトランペット」の意である。
歴史[編集]
金管楽器の中でも歴史は長く、15世紀には現在の形であった。
音域が人声に近く、スライドの調整により滑らかに音程を変化させることが可能であるため、中世ヨーロッパ世界では「神の楽器」と呼ばれ、教会音楽で名を馳せた。 以降、長きにわたり神聖なものとして扱われていたが、18世紀にベートーヴェンが交響曲第五番『運命』第四楽章にて用い19世紀以降世俗的な音楽での地位を確立した。
20世紀に入りアメリカを中心に黒人音楽(ジャズ)やG.ミラーなどのビッグバンドが隆起するにつれさらに世俗的となった一方、J.P.スーザが軍楽に用いたことでブラスバンドでの地位を確立させ、日本においても吹奏楽などで現在でも多く用いられる。
構造[編集]
スライド部を手前から奥に伸ばすにつれ管が長くなり、音程が低くなる仕組みである。
現在ではロータリーと呼ばれる渦巻管がついているものがある。渦巻部により管を迂回させることにより低音域の吹奏も可能となるため、現在ではこちらが主流である。 またこの特徴からピアノや他の楽器では演奏することのできない全音と半音の間の周波数域の音を発することが出来ることが特徴的である。
一般的にスライドの大体の位置を「ポディション」と呼称し、一番手前の何も操作していない位置を1とした場合7から8ポディションまで存在するが、チューニングなどにより大体の位置の微調整が求められるため難易度が高いともいわれる。