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2021年6月30日 (水) 09:43時点における最新版
リス(栗鼠)は、ネズミ目(齧歯目)リス科に属する動物の総称である。
リス科には、5亜科58属285種が含まれる。
樹上で暮らすリスのほか、地上で暮らすマーモセット、プレーリードッグ、シマリス、イワリス、ジリス、滑空能力のあるモモンガ、ムササビもリスの仲間である。
分布[編集]
全世界に分布。ただしオーストラリア、南極大陸、ポリネシア、マダガスカル、南アメリカ南部、一部の砂漠(サハラ、エジプト、アラビア)を除く。
オーストラリア大陸にはもともと生息していなかったが、19世紀に人為的に移入された。
形態[編集]
リスは一般に小型の動物だが、体長7~10センチ、体重わずか10グラムのアフリカコビトリスから、体長53~73センチ、体重5~8キロのアルプスマーモセットまで、大きさは多彩である。
樹上性リスは、毛のふさふさした大きな尾を持つ。地上性リス(ジリス)は、樹上性リスに比べて尾は毛量が少なく、短いものが多い。
多くのリスは、体毛が柔らかく絹ように滑らかだが、中には厚い毛皮を持つものもある。
体毛の色は種によって、(しばしば同種内ですら)非常に変化に富む。
東南アジアに生息するフィンレイソンリスはいくつもの毛色の違うものが野生下で存在しており、花の蜜を食べるために長く伸びる舌をしている。
大きな目をもち、視覚は優れている。多くは顔のひげや足の触毛で、狭い場所を通る際に幅を認識するなど、優れた体性感覚を持つ。
生態[編集]
極高圧帯ともっとも乾燥した砂漠を除き、熱帯雨林から半乾燥の砂漠、北極圏まで、ほとんどすべての環境に生息する。
樹上性リスとジリスが昼行性または薄明薄暮性であるのに対して、モモンガなどの滑空するリスは夜行性である。
ただし、哺乳期の母モモンガとその子供は、夏の間は昼行性になる。
樹上性リスは、おもに樹上で生活する。木登りやジャンプを得意とし、枝の上や樹洞に巣を作る。基本的に単独生活を営み、明確な縄張りを持つ種は少ない。また、寒冷地に生息する種でも冬眠はしない。
ジリスは、草原や砂地などに巣穴を堀り、地上で生活している。森林限界を超えた高山に住む種もいる。社会性があり、家族を中心とした集団を形成し、よく発達したコロニーで生活するものが多い。
多くのジリスは冬眠する。
シマリス類は、樹上性リスとジリスの中間的な存在であり、おもに地上で暮らすが、木登りも巧みである。樹洞だけでなく、地下にも巣を作る。
年に1回または2回出産する。妊娠期間は3~6週間で、種によって異なる。子供は毛も歯も生えておらず、目も見えない状態で生まれる。ほとんどの種でメスのみが子供の世話をする。
生後6~10週で離乳し、生後1年で性成熟する。
食性[編集]
おもに草食性で、木の実、種子、果実、キノコ、草などの多種多様な植物を食べる。
昆虫、鳥類の卵やヒナ、爬虫類、小型の齧歯類を食べる種もある。
いくつかの熱帯の種は、ほとんど完全に昆虫食に移行している。
=日本のリス[編集]
日本に棲むリス類としては、樹上性リス2属3種4亜種(うち、2亜種は外来種)、滑空性リス(モモンガ属、ムササビ属)の2属3種5亜種(すべて在来種)、
地上性リス(シマリス属)1属1種2亜種(うち、1亜種は外来種)の計5属7種11亜種が挙げられ、移入種を除けば4属6種8亜種となる。
リス亜科では、北海道にエゾリスとエゾシマリスが、本州、九州、四国には二ホンリス(ホンドリス)が生息している。
ただし、二ホンリスの九州での生息は最近確認されていない。
二ホンリス、ムササビ、二ホンモモンガの3種は日本固有種である。