魔女の下僕と魔王のツノ
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あらすじ
薬草魔女ベティの下僕であるアルセニオは、ベティの師である大魔女ビビアンの難病を治療しベティを笑顔にするために、薬の材料を集めに単身で魔王城に踏み込む。そこで魔王に囚われていた少女レイと出会い、彼女とその仲間と共に魔王からツノを手に入れようと奮闘する。 登場人物 主要人物
アルセニオ
24歳。身長177㎝。本編の主人公、魔女の下僕の青年。イスパニア出身。本名:アルセニオ・グラジア・バルデラス。高い戦闘能力と逃げ足が自慢だが、酒には弱い。武器は大型のマッチロック銃(1話のみ)を使っていたが、それよりも強力な魔物の力による炎の魔法だけを扱うようになる。魔法の名称は「纏う炎(カポーテ)」「煽動する炎(バンテリージャ)」など闘牛絡み。元は人間だがあることが原因で魔物になった。魔法を使うと体内の魔力を消費し体も消耗して危険なので、ベティの魔力入りの食事が欠かせない。普段の見た目は人間と同じであるが、魔法を使う際は、皮膚が鱗状に変化・高熱化し、虹彩も変化する。エリックの推測によれば、彼の眼は赤外線が見えるようである。この能力のため通常の衣類では高温に耐えられず、彼の身に着けているものはすべて耐火作用を持つ魔導具である。 魔王城で囚われていたレイと出会い、ベティの命令から彼女を自分の部下にした。外見が美少女のレイに対してはちょっとドキドキしつつも、「人間の夢」を期待しないようにと自分に言い聞かせている。 レイの親友であるロイドとは度々ケンカが絶えない(勝敗は一方的だが)。ベティに対しては過保護だが、恋愛感情ではなくあくまで主従の範囲。ただし、ベティの恋人の条件は厳しく、目を光らせている。魔物となってから故郷の宗教に処刑されかけたり友人に殺されかけたり、ビビアンのニセモノに素材取りのための飼い殺しにされたりしたが、ベティに救われる。これだけの目に遭っていても普段は周囲が呆れるくらいのお人好しで彼が魔物とは知らない人たちには気に入られている。 ヒュペルボレア人には発音し辛い名前らしく、レイ達からは少し間違った名前で呼ばれる(アルセニオ→アルセニョ)。
アルマ 魔法で女性に変わった際のアルセニオの偽名。切っ掛けは魔法の訓練中に余計なことを言ったため、へそを曲げたサムによって掛けられた魔法。イスパニア兵と魔王たちのいざこざでケガしたサウロを治療するために変装代わりに女性化した際に名乗った。外見年齢は17歳。身長160㎝。
ベティ
10歳。身長136㎝。アルセニオの主人で大魔女ビビアンの弟子。薬草作りが得意な薬草魔女。薬草魔女の名前の通り薬作りに関しては秀でた才能を発揮する。その反面、ほうきに乗る技術は未熟であり、アルセニオに慰められている。たまに猫の姿に変身しており、撫でられたりアルセニオのベッドに入り込んだりしている。 実はとある国の王族だが、国王が不老不死の薬を望んで制作をビビアンに依頼した際に素材に使えと差し出された。なお、その国王はビビアンによって王座から引きずり落とされたとのこと。
ビビアン
106歳(自称100歳)。身長168㎝。ベティの師匠。「身体から茨が伸びてくる」という難病に侵され、死期が近づいてきたため、治療をベティに任せて仮死状態の眠りについている。キス魔であり、彼女が伝えた魔法の解除方法は「キスをすること」が多いらしい。 魔女の世界でもかなりの技術を持つ。ベティを引き取ってから外に出なくなっていた際には名を騙る者が現れた。 ベティ曰く、酒好きで面白いこと楽しいことが好きな道楽者。
レイ
15歳。身長155㎝。極北の地からビビアンを探しにやってきて、魔王城に迷いこんだ少女。姓はリリエンソール。容姿端麗の美少女だが、実は元男性。しかし、巨乳。武器は導具職人が作ったサーベルで、氷の魔法を扱う魔法使い。魔法使いは導具がないと魔法を使えないが、導具を通して外部の精霊から魔力を得るため、いくら魔法を使っても魔力はつきない。魔法の名称は宝石の名前がモチーフ。 ビビアンが発明した魔法で女性化して戻れなくなったためビビアンの元を訪れるも、序盤に魔王城をビビアンの住処と勘違いし魔王に囚われた。家族は父母のほか兄が1人(エリック)と姉が3人(ケイト、モニカ、ジェシー)おり、兄のエリックが病気のため自分が家業を継ぐことになっている。北国育ちであるため、免疫力が極端に弱く、病気や薬に体調を左右されやすい。アルセニオのことをアルセニョと呼ぶ天然な一面も(これらは彼女の一族全体の特徴)。過去に親友であるロイドと共に、危篤になったエリックを魔法で女性にすることで助けようとしたが、詠唱失敗に加えてロイドの雑念のせいで暴発し、魔法が自分に掛かってしまった。何故か正規の方法では解除不可能だったので、元に戻るために家出してビビアンを探す旅に出た。ベティとは年も近く仲が良い。アルセニオのことは兄のように慕っているものの、エリック(女性版)と仲よくしているのを見て不機嫌になるなど本人も感情の全容をつかめてない。
ロイド
17歳。身長174㎝。極北の地からレイを追ってきた青年。姓はハント。アルセニオとは違い好戦的である。武器の導具は親から贈られた手作りの鞭。風の魔法を使う魔法使いかつ魔女。前後上下の方向を動物に、攻撃・防御の種類をトランプに割り当てた名称となっている。 相棒は犬のガストと梟のアッシュ。 最強の狩猟民族とされる中でも若手のエースで、かなり戦闘能力が高い。また、ぶっきらぼうながら女性への扱いは天然なりにうまい。 レイの親友だったが、自分の魔法が失敗して、レイが女性化したまま戻らなくなってしまったため、レイと結婚することでその責任を果たそうとする。しかし、あくまで親友でいたいレイからは断固拒否されている。それでも責任を取ろうとするのは、ヒュペルボレアでは独身女性は生きるのが難しいのと、エリックからレイの夫はお前以外許さんと圧力をかけられているため。家出したレイを連れ戻しに来たが、ビビアンがレイの女体化とエリックの病を治せそうだと知り、アルセニオ達に協力することになる。 少年時代にレイの兄であるエリックが極北の魔女と知り弟子入りした。成人祝いに右目を魔導具「刻印の瞳」にしてもらい、瞳に映ったものを正確に記録できる。しかし、アルセニオからは盗撮野郎と間違われたことがある。それ以外でもアルセニオとは度々ケンカになっている。 レイに対しては自分を見るようにとアプローチを繰り返すが、全てスルーされてしまっている。しかし、ロイド自身もエリックがアルセニオと近づくと独占欲や嫉妬心を出すなど、恋愛という点では気持ちがどこに向いているのかはっきりしない。
エリック
24歳。身長164㎝。極北の地の魔女(ただし、男性)で、水の操作に優れた魔法使いでもある。魔法使いとしての導具は短杖。戦闘能力はないが博識で指揮官役を担う。男のままでも美女に間違われるほどの端麗な容姿である。レイの兄で、生まれつき心臓の病でかなり苦しんでいる。ロイドの話によれば、心臓から肺に血液を送る肺動脈が狭窄しており、かつ肺に水が溜まっているため呼吸障害を患っている。 自分の病気を治すため独学で魔女の魔法を勉強し、「極北の魔女」を名乗る程の知識と技術を身に着けた。治すことは出来ていないが、内臓の形まで変えることの出来る女性化の魔法を使うことによって、体調を安定させている。 希少な魔女としての能力を悪用されることを恐れて、自身が魔女であることは秘密にしていたが、ある時、魔女の魔法を使っている姿をロイドに見られてしまい、彼にせがまれて魔女の魔法を教えていた。この際、満足に動き回れないため、ネズミなどの動物に憑依していた。作中ではもっぱらアッシュに宿っている。 ロイドに魔法を教えている際に、借り物の動物(レミング)の体で梟につかまったことがあり、鳥恐怖症になる。以降、全く克服されず、ヒヨコにすら怯える始末。アルセニオの贈ったトラウマ軽減の首飾りもあって多少はマシになるも、ブレンダと接触した際に女性恐怖症も追加された。 温厚な性格であるが、一方で倫理観がやや欠如した好奇心の塊でもある。現状は女性化した自分の体に興味津々で、「どんなものか知りたい」という理由でアルセニオに肉体関係を迫ったりしている。また、元がビビアンの魔法であるため女性化解除にはキスが必要だが、ロイドとすることに何の抵抗もない。 表向きレイが誰と付き合おうとかまわないといっているが、実際はロイド推しであり、アルセニオを誘惑したのもレイとくっつくのを邪魔するためでもある。 魔物となったアルセニオを(ピンチの時とはいえ)友達としてかばったり、アルセニオが好きなのか自分でも判らなくなっていたレイを「知識すべてを使ってお前の心を証明してやる」と言って背中を押すなど肝は据わっている。
サム
32歳。身長180㎝。極北の地の霊媒師。全ての精霊から協力を得て、強い魔法を使える。エリックの友人「シリウス」として訪れたアルセニオを魔物(精霊憑き)と気づき、宿った精霊を祓おうとした。エリックに止められ、ロイドに邪魔されたことで祓うのは止めた。アルセニオに頼まれて魔法の指導をするが、不本意かつペースを乱されっぱなしで不機嫌。指導する際にはガストの身体を借りているが、犬の首飾りで人化した際にガストはメスだったので憤慨した。
サウロ
24歳。身長184㎝。イスパニア兵の騎士。アルセニオの幼馴染だったが、アルセニオが魔物になったのをトノコ信教の教えから「悪霊に乗っ取られた」と判断し魔王よりも殺したい対象としている。魔王城でのいざこざを経てアルセニオが全く変わっていないことに気づき他の兵が帰国した後も残留。アルセニオを巡ってレイと張り合っている。 火の魔法を使い、アルセニオの使う魔法は彼の魔法を真似たもの。アルセニオが魔物となる以前は傍若無人な押しの強い性格で他人に迷惑をかけているのに全く気付かないタイプだった。
魔物
キングブル
魔王城に君臨する牛の魔王。声色は恐ろしいが外見は卵に手足と牛の頭部がくっついたような、威厳ゼロの姿である。子供を生ませた雌牛から魔力を蓄えたミルクを作ることができ、それを目当てにした魔物が集まっている。大きな胸が大好き。 武器は持ってないが、唯一無二の雷の魔法を扱う。魔法の名称は「魔王の鉄槌(サーロインハンマー)」「魔王針(フィレ)」など牛肉の各部位から。 魔王であるため、ギャグ感満載の外見に反してアルセニオの銃や魔法などでは歯が立たず、レイの魔法でも足止めにしかならない。しかし、補充する魔力がないと本人もつらく、持久戦ではロイドにおされていた。 魔王城が完成して開放した際、迷いこんだレイのことを気に入り、自分の花嫁にしようとする。レイが男性だと知るも女性のままいればいいと思うなどコミカルな一面も。
ホショクアザラシ
魔王城に棲む魔物の一体。シャチに丸呑みにされ顔だけ出たアザラシに足が生えたような外見。魔王の側近で侵入者が現れたことを伝えに来るなど度々登場する。
ブレンダ
魔王城に住む魔物で、ツインテールの少女。液体でないと魔力が補給できない。綺麗なお姉さんに目がない。かなりの戦闘能力と屈強な体でドラゴンくらいの強さを持っている。蠍の魔物であるため尾にはあらゆる毒素が仕込まれている。が、蠍としての弱点も持っており、エリックを襲った際は自分の毒を自分に打ち込まれて無力化された。 魔王城が崩壊した際には魔王を元気付けるために人を襲って血を集めていた。その際に自身を後回しにしていたため身体が崩れるほど消耗する。エリックが魔力を蓄えた泉を作る代わりに、人の血が飲めなくなる魔法をかけることを提案し受け入れた。
エミール
魔王城に棲む魔物、白髪の青年の姿をした吸血鬼。なかなかのナルシスト。本人曰く「まだ100歳」。魔力を摂取しないとヨボヨボの老人の姿になってしまう。変身能力を持ち、大量の蝙蝠の姿になることが可能。戦闘能力はあまり持たないが回復力が高く、魔力があれば手足を切断されてもすぐ再生する。 自らの姿を見えなくする魔導具「消失の指輪」を持ち、いざという時は姿を消して逃げる。しかし消失の指輪の効果は可視光のみに限定されるらしく、赤外線が見えるアルセニオには効果が無かった。
サラマンダー
アルセニオの体に宿っている精霊。後に「サラ」と名付けられる。導具作りを再開したアルセニオの作った短剣に引っ越しした。
仕立て屋
衣類の制作を得意とするハリネズミ型の魔物。パッチワークの魔法陣を作ることで召還できる。好物はナメクジやカタツムリで、アルセニオやベティは呼ぶ際に集めて提供している。その他には衣類の素材となる物品を報酬として受け取っている。