タコピーの原罪
『タコピーの原罪』(タコピーのげんざい)は、タイザン5による日本の漫画作品。複雑な家庭事情と学校でのいじめに苛まれる少女しずかとタコ型地球外生命体タコピーの交流譚。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)2021年12月10日より2022年3月25日まで連載された。短期連載であったにも関わらず、『少年ジャンプ+』のエポックメイキングとなった作品であるとされている。
あらすじ
2016年、地球にハッピーを広めるため来訪したハッピー星人タコピーは、小学4年生の女子児童久世しずかに窮地を救われる。その礼としてタコピーは、複雑な環境下で笑顔を失った彼女を幸せにするべく、ハッピー星に伝わる様々な「ハッピー道具」で問題解決を図る。 一方でしずかは学校で同級生・雲母坂まりなによるいじめを受けていた。彼女の支えとなっていた愛犬チャッピーはタコピーの見ていない間に姿を消しており、しずかはタコピーから借りたハッピー道具「仲直りリボン」を使って首を吊ってしまう。自殺に至った心理的理由を理解できないタコピーはハッピー道具で過去に遡り、しずかとの日々をやり直し、彼女を笑顔にしようと奮闘するが、「悪意」というものを解さないハッピー思考ゆえに空回りが続く。
登場人物
〇タコピー:主人公。ハッピー星出身の地球外生命体。「タコピー」はしずかの命名であり、ハッピー星人としての本名は「んうえいぬkf」。喋る際は語尾に「っピ」がつく。ハッピーを広めるために地球に到来し、自らの窮地を救ったしずかに恩義を感じ、彼女の問題を解決するべく奔走する。ハッピー星の道具であるハッピー道具による現状の打破を試みているが、「悪意」というものを解さないハッピー思考ゆえにしずかの置かれている状況を理解できず、事態の泥沼化を招く。 〇久世 しずか(くぜ しずか):ヒロイン。小学4年生の女子児童。空腹のタコピーに食事を与えたことがきっかけでタコピーに懐かれる。父親が家庭を捨てて東京に拠点を移したため、水商売を営む母と共に生活に困窮する母子家庭で育ち、学校では同級生の雲母坂まりなからいじめを受ける。 〇雲母坂 まりな(きららざか まりな):しずかの同級生の女子児童。もう一人のヒロイン的存在。父親がしずかの母親と関係を持っており、父が家庭を顧みなくなったことから荒れた家庭環境で過ごしている。そのためしずかに対して憎悪を抱き、彼女へのいじめを行う。タイザン5はジャイアン的ポジションのキャラクターであるとしている。 〇東 直樹(あずま なおき):しずかの同級生の男子児童。医者の家庭に生まれ成績優秀で、学級委員長も務めている。クラス内でいじめを受けているしずかを密かに気にかけているが、あまり相手にされていない。その一方、タコピーに対しては高圧的な態度を露わにする。教育ママである母親から受ける束縛や、さらに秀でた兄である潤也に対する劣等感を抱え、ストレスを抱いている。タイザン5は出木杉英才をイメージしたキャラクターであるとしている。 〇チャッピー:しずかの飼育する犬。孤独なしずかの唯一の心の拠り所だったが、第3話にてしずかに暴行を加えるまりなの手を噛み保健所送りにされる。しかし、しずかはチャッピーがいつ戻ってきてもいいように首輪を自分の手元に残している。