きゅうり
きゅうり (胡瓜)とはウリ科キュウリ属のつる性一年草、およびその果実のことである。野菜の一種として食用にされる。
名称[編集]
和名きゅうりの呼称は、漢字で「黄瓜」(きうり)と書かれ、熟した実が黄色くなることに由来する。「胡瓜」の中国語「クークワ」が日本人には発音しにくかったため、瓜を日本での読み「ウリ」と発音し、「クーウリ」から「キュウリ」となったものと考えられている。
生態[編集]
インド原産、またはヒマラヤ山麓が原産とされる、一年生のつる性の植物である。広く畑で栽培されている。栽培されているきゅうりのうち、3分の2は生で食することができる。種子は暗発芽種子である。雌雄異花ではあるが、単為結果を行うため雄花が咲かなくとも結実する。
歴史[編集]
起源[編集]
きゅうりは古くから食用の野菜として栽培されている。果実成分の95%程度が水分とされ、歯応えのある食感とすっきりとした味わいがある。水分を多く含むことから暑い季節・地域では水分補給用として重用されてきた。
インド西北部のヒマラヤ山脈の南の山麓地帯が原産で[8]、紀元前10世紀ごろには西アジアに定着したとみられている[11]。紀元前4000年前にメソポタミアで盛んに栽培されており、インド、古代ギリシア、古代エジプトなどでも栽培された。その後、6世紀に中国、9世紀にフランス、14世紀にイングランド、16世紀にドイツと伝播していき、16世紀ごろのヨーロッパで栽培が盛んになった[11]。アメリカ大陸には15世紀末、クリストファー・コロンブスがハイチに持ち込んだのを端緒に普及していった。きゅうりを好物とした歴史上の有名人としてローマ皇帝ティベリウスがいる。
栄養素[編集]
キュウリは全体の約95%が水分で構成されており、100グラム (g)あたりの熱量が14 kcal(59 kJ)と非常に低いため、ギネスブックにおいても「Least calorific fruit」の登録名で認定されている。栄養素は比率で炭水化物3.0 gが最も多く、たんぱく質1.0 g、灰分0.5 g、脂質0.1 gと続く。他方、ビタミン、各種ミネラルなどの栄養素においてもビタミンK(100gあたり34µg)や銅(100gあたり0.11mg)、モリブデン(100gあたり4µg)を除けば100gあたりの含有量は一食分の摂取目安量の1⁄3 - 1⁄10程度と、低い数値に収まっている。