ぴえん

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ぴえんは、泣いているさまを表す擬態語。泣き声の「ぴえーん」を省略し、SNS上やメールなどのやり取りで「(涙)」の意味でより汎用性の高い言葉として使われる。悲しい時にも嬉しい時にも使用され、深刻さは伴わない。

経緯・概要[編集]

2018年11月頃から女子中高生の間で使用されるようになり、男女問わず幅広い世代に浸透した。2019年にはAMFの「JC・JK流行語大賞2019」コトバ部門の1位、TWIN PLANETの「2019年ギャル流行語大賞」の2位、2020年にはInstagramメディア「Petrel(ペトレル)」の「2020年上半期インスタ流行語大賞」流行語部門の1位に選ばれた。言葉が生まれた経緯は不明だが、女性アイドルグループ・虹のコンキスタドールに所属していた片岡未優が作った言葉とする説やインターネット関連サービス・Yahoo!の分析によると、2018年8月頃に埼玉県で検索され始めたという調べがある。

ぴえんの「上位互換」として、YouTuberのまあたその発信によって流行した、より悲しみの度合いが強い言葉としての「ぱおん」という表現も生じ、「2020年上半期インスタ流行語大賞」流行語部門の4位にランクインしている。「ぴえん」と組み合わせた関連用語の「ぴえんこえてぱおん」は「JC・JK流行語大賞2020上半期」コトバ部門で5位にランクインした。更なる進化系として、TikTokerのけんちょす(高橋憲太)によって「ぴえんヶ丘どすこい之助」という表現も生み出され、こちらは「JC・JK流行語大賞2020」コトバ部門で3位にランクインした。

ITジャーナリストの井上トシユキは、「ぴえん」「ぱおん」は共に単語の先頭がかわいらしく聞こえる半濁音になっていることから、「うわん」「びえん」よりも小泣き感が強いと分析している。

絵文字の使用についての流行は日本国内に限るもののようであり、Twitter Japanが2020年の世界絵文字デーに公開した「世界の利用者がTwitter上で多く使った絵文字上位10位」にはPleading Faceの絵文字はランクインしていない。

2020年3月、玩具メーカーのいきもんがおもちゃ等を指定商品に「ぴえん」のテキストの商標を特許庁に出願したが、商標法3条1項6号(需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標)として拒絶理由通知書が出ている。同年10月には、アパレル会社のブランチ・アウトが被服等を指定商品に「🥺」の絵文字と「ぴえん」のテキストの商標を出願している。アパレル会社の出願については、11月17日に特許情報プラットフォームで公開されると、SNS上で多くの懐疑的な意見が集まり、弁理士の栗原潔は玩具メーカーの出願と同様の結果になる可能性が高いとの見解を示している。

2020年11月30日、「ぴえん」は「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2020』」で大賞に選出された。語釈としては「小声で泣きまねをするときの言葉」「困ったり、思い通りにならなかったりして、ちょっと悲しい気分であることをあらわす言葉」などと説明され、例文として「電車に間に合わない、ぴえん」と紹介された。三省堂の公式サイトでは、『新明解国語辞典』編集部・『三省堂国語辞典』飯間浩明・『三省堂現代新国語辞典』小野正弘・『大辞林』編集部によって語釈が紹介されている。