勝手踏切
住民が踏切がない場所を日常的に横切る箇所。
概要[編集]
遮断機や警報音のない線路を指すことが多い。国土交通省によると全国で1万7,000カ所も存在する。正確な定義がないため、実態としてはさらに多いこともある。
勝手踏切で発生した事故[編集]
高松琴平電気鉄道琴平線[編集]
平成27年、高松市の高松琴平電気鉄道琴平線で、中学二年生の男子生徒(13)が電車にはねられて死亡。
松浦鉄道[編集]
平成28年、長崎県佐世保市の松浦鉄道で、駅近くの勝手踏切を横断していた女児(2)が電車と衝突、意識不明の重体となった。
近鉄長野線[編集]
令和3年4月10日、大阪府富田林市喜志町の近鉄長野線喜志駅の約500メートル北で、線路付近で遊んでいた小学1年生の女の子(6)が電車と衝突、搬送先の病院で死亡が確認された。
江ノ島電鉄[編集]
令和3年4月26日、神奈川県の湘南エリアを走る江ノ島電鉄の稲村ヶ崎駅付近で、小学3年生の女の子が、ごみ出しから帰る途中、線路上で電車にはねられた。
現状[編集]
そもそも、線路内に無断で入ることは違法であり、何よりも危険である。しかし、勝手踏切の周辺に住む住人は、勝手踏切を渡らないと買い物や通勤に行けなかったり、勝手踏切を使わないと遠回りになってしまうといった事情があり、鉄道事業所側も線路の高架化・地下道設置には莫大な費用がかかるため黙認されている所も多く、柵や注意喚起の看板の設置といった対策に留まっている。
江ノ島電鉄周辺では玄関の前に線路があったり、津波が起きた際の避難経路としても必要としている住人もいる。
「勝手踏切」は危険であり、解消したいという国や鉄道事業者側の考えがある一方で、住民側は、生活の利便性もあり、通行路がふさがれることに反対する声もあるため、なかなか解消が進まない。 住民側と鉄道事業者、双方が納得するような落としどころは現実的にはないが、事故は起こっているため、何らかの対策を打たなければならない。