政治的リベラリズム
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『政治的リベラリズム』(せいじてき-、Political Liberalism)は、アメリカ合衆国の政治哲学者、ジョン・ロールズによって1993年に発表された著作。自著『正義論』(1971年)において示された正義概念に関する理論に対する多数の批判を踏まえ、「重なり合う合意」(overlapping concensus)や「公共的理性」(public reason)などの観念を用い、再度自らの理論を提示した。
ロールズによると、「秩序だった社会」(well-ordered society)は、様々な宗教的・哲学的諸教説(諸宗教によるものはもちろん、ミル的・カント的な倫理学的立場なども含まれる)を持つ人々が、それぞれの持つ「包括的教説」から独立に、公共的理性に訴えかける方法で「重なり合う合意」のもと、正義に関する構想を支持することによって実現する[8]。なお、この際に支持される正義に関する構想は、自ら『正義論』などで主張してきた構想(=一般的に「公正としての正義」と呼ばれる)のみではなく、他の「理に適った」正義に関する構想も含まれるという指摘がある。